Oct 14, 2009
ロートアイアンについて調べてみました。
皆さん、"ロートアイアン"と言葉をご存知ですか?元々はヨーロッパの鍛鉄工芸を意味する言葉で、一般的に鉄を使用すると仮定施設を表しているようです。鉄製の門やドアハンドル、手すりや柵のようなものです。次に、メニュースタンドのようなものもあります。意外に近いところに"ロートアイアン"の技術が活用されているのです。ロートアイアンは鉄を使用して装飾して、ヨーロッパの伝統的な工芸文化として古くから伝わるものです。日本でも西洋式の建築物の増加に伴い、メインページやフェンス、階段の手すりなどに与えることが多くなっています。ロートアイアンは鉄を加熱して曲げていく方法で製作されるので、自由自在に形を作ることができ、デザインが豊富なのも魅力のひとつです。
東京から日帰りできる房総半島横断ローカル線の旅、後編はいすみ鉄道を遊びつくす。昭和の名優キハに乗車して横断完了。でも、とんぼ返りして大多喜城を見物。保存車両を見物しに行き、ホタル観賞で締めくくった。
【杉山淳一の+R Style:第51鉄 キハ52と保存車両とホタルトレイン 房総横断ローカル線紀行(後編)】
●いすみ鉄道名物「キハ52」
デンタルサポート大多喜駅に鉄道ファンや家族連れが集まっている。お目当ては13:45発の急行3号、旧国鉄のキハ52形ディーゼルカーだ。1960年代から全国の国鉄ローカル線で活躍し、老朽化で次々と廃車された。2010年の夏までJR西日本の大糸線で使われ、稀少価値と懐かしさから全国の鉄道ファンの人気を集めていた。そのキハ52をいすみ鉄道が譲受した。鉄道自体に「名物」がない同社にとって、活性化の切り札というわけだ。
しかし鉄道ファン以外の人にとって、キハ52形は“古臭いディーゼルカー”だ。SLほど一般の人に分かりやすい車両ではない。しかも、いすみ鉄道は1988年製のディーゼルカーを廃止して、それより20年以上も古い1965年製の車両を導入したわけで、妙なことをする会社だと思った人も多かったに違いない。ところがいすみ鉄道の目論見は当たった。キハ52は鉄道ファンだけでなく、昭和時代のノスタルジーを感じさせるシンボルとして、観光客を引き寄せている。ホームに入ると、カメラを片手に忙しく動きまわる鉄道ファンと、お酒やおつまみを抱えて談笑する年配のグループがいた。
●昭和の列車は窓が開く
キハ52は土日のみ、急行列車として運行されている。乗車には300円の急行料金が必要だ。定員制で、急行券は各列車60枚の限定販売となっており、そのうちボックスシート4つ分(16席)は指定席。こちらはプラス300円である。
鉄道ファンはさっそく車内を撮影している。私もカメラを取り出した。大糸線時代にもキハ52に乗車したことがあるが、混雑していたから撮影を遠慮していた。今日はほとんど鉄道ファンだから、交互に運転台を撮ったり、ボックスシートを撮りたい人へ席を提供したりと譲りあって撮影を楽しんだ。
キハ52の車内はJR西日本で使われていた当時の姿を残している。製造時のままではなくて、乗客サービスのためにシートを張り替えたり、ワンマン運転用の料金箱があったり。そして、登場時にはなかった冷房装置も付いている。この日も冷房が効いていて涼しかったが、あえて前後の席のお客さんに声をかけた。「窓を開けたほうが気持ちいいよね?」誰もが賛成してくれた。まだ初夏だし、曇り空で暑さもそれほど厳しくない。やっぱり昭和の汽車旅は、窓を開けなくちゃ雰囲気が出ない。
列車が走りだすと、古いディーゼルエンジン独特のガラガラという音、そして微かな油臭さが漂う。高校時代、ワイド周遊券で全国のローカル線を乗り歩いた頃を思い出した。40代半ばの私にとって、蒸気機関車は珍しいけれど懐かしさは薄い。でも、旧国鉄形ディーゼルカーは思い出が多い。この匂いは青春の匂いだ。懐かしすぎて涙が出そうだ。泣いてもいいかな。たぶんすぐに風が吹き飛ばしてくれるだろう……。
●ここはムーミンのふるさと?
急行3号は林を通りぬけ、小さな鉄橋を渡り、田園地帯を快走する。そして「風そよぐ谷 国吉」駅で長時間停車。これは乗客たちが記念撮影できるようにという粋な計らいだ。この駅にはいすみ鉄道直営ショップ『VALLEY WINDS』があり、同社のオリジナルグッズやムーミンのキャラクターを販売している。長時間停車には「ここでお買い物をしてね」という意味もあるようだ。
ムーミンといえば、私の子供の頃にアニメが放送されていた。今でも誰かに振り向いてもらいたい時に「ねぇムーミン、こっちむいて」と歌いそうになる。しかし『VALLEY WINDS』にいるムーミンたちは、ちょっと雰囲気が違う。どうも私が子供の頃に見ていたムーミンは原作者のお気に召さなかったらしい。1990年に原作に忠実なムーミンが作られて以降、私のムーミンは消えてしまった。
それでもムーミンは懐かしい。ちなみに、キハ52が活躍した時期と、ムーミンの初期のアニメが放送されていた時期はほぼ同じ。つまり、いすみ鉄道は高度成長期生まれにとって懐かしい仕掛けがいっぱいだ。いすみ鉄道は2009年から「ムーミン列車」として車体にムーミンと仲間たちを描いている。
車内放送では沿線の観光案内も行っている。窓を開けているから聞き取りにくいのだが、その中には「コント赤信号のリーダー、渡辺正行さんの実家が見えます」といったものもあって笑いを誘っていた。そんな車窓の重要ポイントは「スナフキンの家」だ。大原駅へ向かって車窓左手にある。急行列車だけではなく、普通列車も子供が乗っている時は徐行するという。スナフキンのテントがあり、彼は釣り糸を垂れていた。そばにはミイも立っていた。
●丘の上の保存車両を見に行く
JRの外房線に接続する大原駅に到着すれば、房総半島横断は終了。しかし今日はまだまだお楽しみが残っている。急行3号が大原駅に近づくと、車内では引き返す人向けに急行券の販売が始まった。駅で買う急行券は硬券、車内では車内補充券で発行してくれる。きっぷコレクターにもうれしい配慮だ。
折り返した急行4号でデンタルサポート大多喜駅に戻り、約30分後の列車でまた大原方面への普通列車に乗った。目的地は2つ目の上総中川駅。急行は停車しない駅だ。この駅の近くにいすみ鉄道の保存車両があるという。キハ52の導入と引き換えに引退した車両で、ほかに北陸鉄道と万葉線の保存車両もあるらしい。
無人の上総中川駅を降りて、国道を大原方面に歩く。信号のある交差点を左折して踏切を渡り、田んぼの中の道をずーっと歩いて行くと……おお、見えた見えた。左手前方に黄色い車両が鎮座している。ここは今年の5月にオープンした「ポッポの丘」だ。いすみ鉄道の200形(204)、北陸鉄道石川線で活躍したモハ3750形(3752)、万葉線で活躍したデ7000形(7052)が並んでいる。どれも車内に入れるんだ……と思ったら、車内はお土産や農産物の直売所になっていた。
見学無料だったから、入場料のつもりでお土産を購入した。「いすみ鉄道 里山やさいとチキンのカレー」「トレインおかき」「ブルーベリーカレー」など。実は、いすみ鉄道 里山やさいとチキンのカレーと、トレインおかきの購入は2回目だ。いすみ鉄道は東日本大震災の時に、三陸鉄道とひたちなか海浜鉄道を支援する「復興応援切符」を発売しており、私はそれを粋に感じて通販で購入した。通販サイトで「5000円以上は送料無料」というから、ついでにカレーやおかきも買ったというわけだ。おみやげ品だからと期待していなかったけれど、意外にも(ゴメンナサイ)美味しかった。だから「次回は現地で買おう」と決めていた次第である。
買い物も終わって見渡せば、200形とモハ3750形は同じ線路の上で連結されていた。線路の先はさらに工事中のようす。もしかしたら、保存車両を走らせるつもりだろうか。あるいは、新たな保存車両を置く場所を作っているのかもしれない。
●車窓から見えた大多喜城へ
今日は何度も訪れているデンタルサポート大多喜駅。「デンタルサポート」はネーミングライツである。だからといって省略して大多喜駅と書いてはいけない。ネーミングライツの意味はメディアへの露出もあるだろうから、ちゃんと書いておかないと。ちなみにデンタルサポートは訪問歯科診療や介護関係の会社とのこと。それはともかく、次のイベントは18:48のホタルトレインだから時間がある。そこで大多喜の名所、列車の窓からも見えた大多喜城へ行ってみた。←家具のアレコレ
大多喜城はデンタルサポート大多喜駅から徒歩15分くらい。途中の道はメキシコ通りという名前が付いている。江戸時代にスペインの船が遭難し、乗組員をこの地でもてなした縁で幕府とスペイン・メキシコとの通商が始まった。そして昭和53年にメキシコ大統領が大多喜を公式訪問したという。その記念としてメキシコ通りと命名されたとのこと。日本とトルコの友情はよく知られているけれど、スペイン・メキシコともそんな美談があったんだな。
現在、大多喜城は千葉県立中央博物館の分館となっている。実は大多喜城の天守はこの博物館のために再建された建物だ。徳川時代に本多忠勝が建設した大多喜城は、徳川時代半ばに朽ち果てた。幕府から再建の命があったにもかかわらず放置されたという。現在の建物は当時の図面を元にしたとはいえ、1975年に建てられたとのこと。なんだ、せっかく登ってきたというのに昔からの城じゃないんだ……。でも博物館らしく、城壁や石垣などに説明書きがあり、それなりにためになる。城壁から見下ろせば、木立の向こうにいすみ鉄道の鉄橋が見えた。ここは列車の撮影スポットとしても面白いかもしれない。それにしても、今日はずいぶん歩く日だ。これでわらじトンカツのカロリーを消費できたはず。
●ミステリー仕掛けのホタルウォッチングトレイン
今日の旅の締めくくりは「ホタルウォッチングトレイン」だ。昨年からいすみ鉄道が始めた企画で、今年(2011年)が2回目。6月10日から20日まで毎日開催していた。参加料金は500円とホタルの最寄り駅までの運賃。その最寄り駅は「環境保護のためナイショ」という。もっとも、窓口で運賃を支払えば料金表で分かってしまうのだが……。でもここでは一応内緒にしておく。ちなみに往路は定期列車で、通常は1両で運行する列車に、さらに1両を増結する。週末など混雑している時は3両編成になるという。帰りは大多喜止まりの終列車になってしまうが、ホタルウォッチングトレインの開催日は大原まで臨時運転する。外房線に乗り継げば、千葉へ23:10着。そこから総武線快速で東京駅方面へ日帰りできる。
ホタルウォッチングトレインは県外のお客さんが多いようで、往路の車内放送ではいすみ鉄道の紹介が行われた。赤字であること、再建の努力が続いていること、昨年秋に存続が決まったこと、「どうかお土産を買ってください、復興応援切符も買ってください……」乗客たちはホタルへ期待しつつ、いすみ鉄道の状況を聞いて複雑な表情になっていた。それを察してか案内係氏は、「みなさん、紫陽花が咲いています。帰りは真っ暗で見えませんから今のうちに!」と和ませ、「この先の鉄橋の下でムーミンが釣りをしています。でもみなさんがいっぺんに見ようとして片側に集まると、列車がひっくり返っちゃう!」と笑いを誘う。
ホタルウォッチングの最寄り駅は豆電球で装飾されて、ささやかながらホタルらしい演出だ。ここからは貸切バス3台に分乗する。しばらく走ると、真っ暗な場所で降ろされる。いすみ鉄道の職員と警備員さんの誘導で細い道を歩いて行くと、川がカーブしたところに橋が掛かっている。ここがホタル出現場所だという。
●はかなく光るホタルたち
深い群青色の空の下、まだ何も起こらない。200を超える人々が静かに待っている。飽きてきた幼児がぐずり始める。その時だった。「あっ見えた、光った」と私のそばの少年が指さした。しまった。見逃した。でも、しばらくすると、確かに光った。ひとつ……またひとつ。川の奥のほうから、白くて小さな、しかし強い光点が現れて、消えた。
「これからどんどん増えてきますよ。そしてこちらに寄ってきます」と案内係氏が言う。一粒ずつの光の点は、10になり、30になり……、もっと増えてきた。そして100を超え、ふわふわと川の奥から手前へと広がっていく。一斉に光り、そして消える。華やかで儚い光の粒子たち。これは言葉でどう表現したらいいんだろう。「すごい」「きれい」では伝わらない。澄んだ空気の中で見上げた夜空を、いま地上に再現したらきっとこうなる。しかし、かつて歌人はどう詠んだか。詩人はどうか。自分には書き表せないという悔しさに打ちのめされそうだ。
ホタルたちの光はかなり強いが、カメラには捉えられない。プロのカメラマンなら撮れるのだろうか。少なくても私のコンデジの性能では無理だ。テレビの科学番組で使うような高感度カメラなら、たぶん光そのものは残せるだろう。でも、それはこの暗闇の中の光の舞いとは程遠い映像になるはずだ。
そして哀しいかな、カメラの限界を疑わない人々がフラッシュを炊く。デジカメやケータイカメラの設定画面をいじる人がいる。液晶のほうが明るく周囲を照らして、せっかくの幻想的な風景が台無しだ。LED懐中電灯でカメラを照らす人までいる。いったい何をしているんだこの人たちは……。下ばかり見て、目の前の光を見ようとしないのか。
私はデジカメの設定画面を見に来たわけじゃない。フラッシュをたく人を見に来たわけでもない。ホタルを見に来たんだ。だからカメラは諦め、ホタルを見よう。世の中には、デジタルではとらえられない物事がいっぱいあるんだ。それは多分ホタルだけではない。私たちはもしかしたら、この世のすべてをデジタルなデータに残せると思っていやしないか。自分の目で見たこと、聞いたこと。真実はそこにしかないはずだった。
遠くに見えるホタルの光は白く、しかし、ふらりとこちらに寄ってくるホタルの光は緑色であった。遠くと近くで色が違って見える。それをデジタルでどう表現できようか。でも心には残った。それでいいじゃないか。
真っ暗な帰り道、前を歩く父親が手のひらを高く掲げた。一粒の光が仲間の元へ帰っていく。「え、捕まえたんですか」と思わず声を出した。「パパが捕まえてくれたんだよ」と男の子の声が聞こえた。ああ、この人たちは正しい。きっとこの子は今夜の思い出を心に留め、なんどでも思い出せるだろう。そして事あるごとに誰かに伝えていくだろう。そして、言葉で伝えるよりも、「一緒に行こう」と誘うほうが大事だと知るはずだ。
帰りの列車の中、車内放送はホタルの解説になった。一斉に光って消える。これはゲンジボタルの特徴だという。生まれてから1年を幼虫で過ごし、成虫として光る時期は僅か2週間。そんな話を聞きながら、誰もがホタルの里の風景を思い出していただろう。
「今日はおいでいただきありがとうございました」という声に、乗客全員が拍手を贈った。
●前回&今回(50鉄〜51鉄)の電車賃
JR東日本 東京−五井 950円、大原−東京 1620円。実現性が高まるオリジナルTシャツ比較
※東京近郊から出発する場合はJR東日本のホリデー・パスがオトクな場合も。2300円+400円(エリア外の茂原−大原駅間は別途乗車券が必要)
小湊鐵道 五井−上総中野 1370円
養老渓谷探勝バス 上総中野−粟又の滝(往復) 380円×2
いすみ鉄道 一日フリー乗車券 1000円
観光急行 自由席急行料金300円、指定席急行料金600円
ホタル観賞許可証 500円(期間中いつでも有効)
【杉山淳一,Business Media 誠】
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